2020年3月11日に電通が「2019年 日本の広告費」を発表しました。
■電通 2019年 日本の広告費
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2020/0311-010027.html
広告費は企業の広告予算に左右されますが、ここ数年景気の良い状態が続いていましたので、総広告費は前年比106%の6.9兆円(前年同様の推定方法で102%)と、8年連続で前年実績を上回る結果となったようです。
このニュースで特に話題になったのが、躍進を続けているインターネット広告費です。長い間、「そろそろテレビ広告を抜くのではないか」と言われ続けていましたが、いよいよ実現しました。
インターネット広告費は、今回から「物販系ECプラットフォーム広告費 1,064億円」が新たに加わって2.1兆円となったようで、一瞬「ゲタをはかせて伸ばした?」と思いましたが、それを除いても対前年で114%と順調に推移していました。
まあ、そちらはほぼ規定路線でしたので、感慨深さはあれども、大きな驚きはありませんでした。一方、ネット広告がテレビを抜いたことの影で、2点ほど興味深い事象が見られました。
ここ最近、広告関連の仕事をしていると、
- テレビ広告が思ったより効果があるという評価が少なくなく、ネット動画との競合というよりは、テレビとネットを使い分けて広告を出している
- ネット広告では感触や味、体験を伝えることが難しく、イベントや展示会、店頭など 「リアルな場での体験の提供」するマーケティング案件が増えている
という肌感があったのですが。
今回の電通の発表から、
- テレビ広告の落ち幅が、新聞・雑誌・ラジオ・FP(フリーペーパー)の過去2年の落ち幅88%に対して96%と緩やか
- 「イベント」(1,803億円)項目が新たに加えられた(=無視できない規模と動き)
ということ読み取れ、日ごろ感じていた肌感がこれで裏付けらたという印象です。
この先しばらくは、インターネット広告を中心に、テレビとオフライン体験系広告が活用されていく状況が続きそうです。
ただ、目先では、新型コロナウイルスの影響でオフライン体験系広告は一旦鈍化しそうではありますが…。
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